2008年11月18日 のアーカイブ

講演会「知れば知るほどジョンストン」

2008年11月18日 火曜日

気持ちのいい天気の中、友人から案内をもらったアルファ・クラブ主催の講演会「知れば知るほどジョンストン」を聴きに六本木の国際文化会館へ行きました。

講演をされたのは英国のThe Edward Johnston Foundation(エドワード・ジョンスントン協会 日本語ページあり)から、設立者の1人でもある、ジェラルド・フロイス(Gerald Fleuss)さんと河野英一さんでした。

午前中は、河野さんの「現代文字デザインの源流、ジョンストン」で、その前半は、

・河野さんがNew Johnstonをデザインすることになるまでの経緯からはじまり、
・オリジナルのJohnston Sans※をヒューマニスティックサンセリフとカリグラフィとの関連から説明して、それをNew JohnstonとしてHelveticaなどのさまざまなサンセリフ書体がある時代にどうリニューアルしたのか、

という話を制作過程を撮影したスライドを使いながら説明されました。印象的だったのは、車好きということで、文字の小文字の高さを決めるx-height(x-ハイト)を車のホイールベースに例えて、ポイントサイズ(=ボディサイズ)ではなくx-height(=ホイールベース)の方が文字の特性(=車の特性)を知るのには大切なのではないかとか、オリジナルのJonston SansからNew JohnstonへのリニューアルをオリジナルのMini(あまり詳しくないのですが、フェイスリフト後のClubman?)からBMW傘下になってからのMiniの写真を使っていたりしていました。
また、最近のフォントの運用に関連してTransport for London(ロンドン交通局)では駅の雰囲気によってはオリジナルをJonston Sansを使うようになってきてもいるということも話されていました。

軽い休憩の後は、河野さんがMicrosoftでされたMeiryo(メイリオ)がテーマで、

・2値のビットマップ→(サブピクセルレンダリング無しの)グレースケールビットマップ→サブピクセルレンダリングありのグレースケールビットマップ(ClearTypeなど)へのディスプレイでの表示技術の変遷を説明の後に、
・日本語の漢字の場合、小さいサイズではサブピクセルレンダリングをしても画線の省略が必要で、それを楷書/行書/草書に例えて説明
・Meiryoの欧文部分は、Verdana(バーダナ/ベルダナ)ベースだけれど、Verdanaから数年後に修正したものなので、こちらの方がより良いデザインです

というような話でした。

楽しい昼食を友人とご一緒して、午後からは、Geraldさんの講演(河野さんの訳と解説つき)でした。

Geraldさんは大の蒸気機関車好きということで、

・蒸気機関車についての作品から始まり、紋章をあしらったEast Sussexの地図とかの手書き作品の紹介
・最近のOpenTypeフォントのContextualな異体字(単語や文のどの位置にあるかによって変化する字形)の紹介
・Edward Johnstonの歴史や忘れ去られていたカリグラフィを彼が復活させた功績やロンドン交通局のFrank PickがJohnstonにデザインを依頼した重要性
・最近のThe Edward Johnston Foudationの活動の紹介
・英国の学校でのカリグラフィーの現状
・カリグラファー(カリグラフィーもする人)がデザインした書体の紹介

などの話をされました。

休憩をはさんだ後半は、Geraldさんの主なカリグラフィー作品の紹介で、

・ディプロマ(証書)
・地図(紋章あり)
・家系図
・蒸気機関車

などがありました。最後には、カリグラフィーではない油絵の蒸気機関車の作品が紹介されました。

※色々な呼び名があるけれど、こう呼ぶのが一番しっくりくるのでは、と言っていました。